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クオリアの概念
脳科学の分野で”クオリア”という概念があります。何も難しいことはなく、誰もが日常的に体験していることなのですが、これを無視して他人を理解することは不可能ではないでしょうか。
有名な説明は「同じ赤を見ていても、自分が認識する赤と、他人が認識している赤が同じとは限らない」というもの。
「あの赤い◯◯って可愛いよね」と話したら、「あれは赤じゃなくて茶色じゃないの?」と食い違うことは確かにあります。
同じ色を見ているつもりでも、違う色に見えている可能性は否定できません。
これと同じく、味覚、聴覚、触覚、嗅覚と五感全てにクオリアが存在するという概念。

時間経過も。
赤色の説明では、混乱する人もいるそうですが、時間経過の例なら誰でも経験があるのではないでしょうか。
楽しいと感じている時に、実際よりも時間が経っていた…というアレは、みんなが体験しているはずですよね。
「楽しいと時間経過が早い」は誰もが理解しており、これは注意理論やドーパミンの関係と理由付けられています。
とはいえ、クオリアに似たような出来事として理解しやすいのではないでしょうか。相手の感じる1時間は、自分にとって30分の感覚だったとしても、不思議ではありません。

味覚が違って当たり前。
食事会でみんなが同じ品を食べたので、後日「あれが美味しかった」なんて会話で盛り上がったという友人の職場。
しかし別の機会で、1人が「あれは美味しくなかった」と話していたことに対し、職場の全員が”信じられない”と噂していたとか。
「あれを美味しくないって言うってことは、味覚音痴だよね」なんて言われように、友人は「何がおかしいの?」と理解に苦しんだそう。
味覚が人それぞれと誰もが解っているはずなのに、美味しいものを共感できない人には不快感を覚えた様子の同僚達。
忘れがちな”人それぞれ違って当然”を改めて考えるきっかけとして「クオリア」は意外と重要に感じませんか?

運転でさえ感じ方はそれぞれ。
私にとって60km/hは早いと感じることがあります。広い道ならそう感じなくても、狭い道なら早く感じやすいという視覚効果は確かにありますが、そういう話ではありません。
狭い道でも早いと感じない人もいるのは理解してますが、私にとってはやっぱり”道幅に関係なく早いと感じる機会が多い”のです。
スピード狂の人に「ビビりだなぁ!」と笑われたことがありましたが、面白いのは私と彼との他のスピード感覚は全くの逆だったこと。

“速い”も色々。
格闘技道場で”ひたすら避けるだけ”というトレーニングの際、すらすらとかわせる私に、スピード狂の彼は「見えるのか?」と尋ねてきました。
基本的にはモーション動作から察知して、どんな攻撃が繰り出されるのかを予測するものであり、体に”勝手に避ける”を覚えさせます。
ですが、視覚的に確認して避けることもあります。当時の私にとっては、相手のパンチやらキックやらはスローに感じることさえあったのも事実。
しかし彼にとっては、何も見えないまま打撃を受けてしまうのだそうです。
車ではスピード狂だと言うのに、人の動きに関しては早すぎて見えないと話していたので、物事によって様々なんだなと感じた出来事。

それだけ?
提唱されていると知る前から自身でも感じていたクオリアの概念。脳科学のクオリアとしては五感に関する個人差を指していますが、私が感じていたのはそれだけに留まりません。
例えば、同じ景色や花を見ていても、はたして同じように見えているのだろうか。同じ人を見て、同じ顔として認識してるのだろうかと思っていました。つまり形状や配置などです。
ここらへんは「感性」が関わってくるものだから、もしかしたら別の話なのかもしれません。
しかし、好みや興味の対象という”感性による見え方の違い”を除いたとて、やはり同じように見えているかどうかを確認する術はないのです。

イライラはあくまで自分都合。
自らに降りかかる出来事は根元まで掘っていくと、結局は全てが自分の行い次第なのではないか…という結論に達します。
人に不満を感じたりイライラしてしまう時は、大抵の場合、相手への理解が足りていないか、自分勝手に期待していたせい。なんにせよ、自分のせいであることが大半。
“ムカつくこと”の根本は自分が相手を解っていないからで、それがお互いとなれば尚更すれ違うし、大きなトラブルにもなりかねません。
しかし、クオリアの個人差まで考慮すれば、きっとイライラする機会は減るんじゃないかなと思いました。
“五感までも個人差がある”と思っただけで、もしかしたら許容範囲は広がるのではないでしょうか。
次回更新日:6月12日
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