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アルスト燃料の節約術

主にキャンプギアとして知られているアルコールストーブ(またはアルコールバーナー)。アウトドア・ギアを当たり前に使う人達からは、略して”アルスト”と呼ばれます。

ガス缶を使うコンロと違い、故障率の低さや気温に左右されずに使えるのが最大のメリット。扱い方もアルコール燃料に着火するだけと実にシンプル。

国にもよりますが、軍隊が固形燃料かアルストを携帯するのは、圧倒的に”壊れにくいから”です。

その信頼性から一般的にも広まっているコンロの1つですが、欠点は「燃料費」でしょう。燃料用アルコールは2026年現在、500mlで250円〜350円と高くもないけど安くもありません。

カーボンフェルトも有名。

カーボンフェルトをアルストの中に入れるだけで、燃量を節約できるのはわりと多くの人が知る方法かもしれません。

難燃性のスポンジ(カーボンフェルト)にアルコールを吸収させ、気化したガスに引火させるウィック式燃焼法。

通常は一気にアルコールを消費しながら燃焼しますが、これを使うと毛細管現象による安定度の高い燃料供給で、結果的に節約効果が生まれるのです。

燃焼中に倒したりすると危険であるのがアルコールバーナーの欠点ですが、そのリスクをかなり軽減してくれるメリットもあり、使わない手はありません。

カーボンフェルトのデメリット。

カーボンフェルトを使用することで節約効果を実感できますし、仕組み(理屈)を知っても納得ですが、これはこれで疑問が残ります。

理由はカーボンフェルトの価格。バーナーに1つ入れる程度なら50〜100円程度ではありますが、ここにお金をかけてたら節約とは言えなくない?という部分。

家に余ってたから使ってる…とかなら納得できますが、わざわざ買ってまでウィック式に転じさせるのはいかがなものか。

理想は「廃棄物」などの”捨てる予定の物”を代用できれば、それは節約術と言えるでしょう。定期的に思い出しては、そんなことを何年も考えていました。

腰痛持ちの味方!

100kgまでは人力で動かせ!という無茶苦茶な職場に勤めていた頃、当然ながら腰を痛めました。

それからは疲労が溜まれば生活に支障が出るほどの腰痛を引き起こす身体になってしまいましたが、その際にカイロは必須アイテム。

特に寒い時期は痛めやすいので、軽度の段階で貼るカイロを腰に当てておくと、数日で痛みが引いていくことが多々あります。

要するに、私の手元には使い終えたホッカイロがたくさんあったので、これを何かに再利用できないか?と常々考えていました。

愛知県のGo Green Japanに送ると水質浄化や土壌改良に使ってくれますが、それよりも使用者の手元で再利用できれば尚良しです。

カイロの中身。

使い捨てカイロの中身は鉄粉とバーミキュライト、活性炭と塩を混ぜたもの。これらを空気に触れさせると酸化し、熱を発します。その”酸化熱”という化学反応を利用した便利なアイテム。

袋などに密閉し発熱を中断させると保管できるのは、酸化を止める(酸素を断ち切られる)からです。

植物オタクなのだから肥料に使えば良いじゃん!という内容物ですが、それにしては量が多く使いきれません。

そしてこの内容物、爆薬作りでも共通してくるものだと気付き、だとしたら燃焼のサポートをしてくれるのでは?と考えました。

もちろん爆発物のような危険なものを作るわけではなく、あくまでも燃焼効率を高めるために利用します。

燃焼時間と消費量の比較。

やり方は簡単で、ただアルストの中に使い終えたカイロの中身を入れておくだけ。

配分が大事なので、適量を覚える必要があるでしょう。コツとしては粉の量に対してアルコールが浸る程度。

今回、アルコールのみの燃焼(通常)と、カーボンフェルト入り、使い捨てカイロ入りの3パターンを検証。

アルコール濃度(購入したばかりの燃料か、しばらく保管したものかの違い)など、細かい部分は無視します。

ちなみに屋外検証では風に邪魔されて正確さに欠けると感じたため、後日改めて屋内にて2回目の実験をしました。

その結果を表にしていますので、屋外より効率が良かったであろう旨をご理解の上、参考にしてください。

意外な結果。

正直言って「カーボンフェルト並みの節約効果があればラッキー」程度に考えての実験でしたが、それを凌駕する結果に驚きました。

ただし、あくまでも燃焼時間です。13分くらいは他と同じ火力を維持してましたが、14分あたりから”とろ火”になり、蝋燭のように徐々に消えゆきました。

それでも、他と同等の火力を維持した時間は最も長かったので、優秀であることに変わりありません。

ちなみに10mlは無風環境でお湯を沸かすのに最低限必要な量として設定しました。沸騰まではいきませんが、お茶は淹れられる程度に熱々にできる量です。

何回いけるのか?

カーボンフェルトは複数回に渡って使用し続けることができますが、カイロの中身はどうなのか?見た目には燃焼補助剤として使う前と変わりません。

これを10回も繰り返しテストしましたが全て約14分半の燃焼時間を維持。11回以降は試していませんが、しばらくは繰り返し使えるものと思われます。

となると、カイロの中身をアルストで再利用しても、結局は使い切れないかもしれませんね。笑

固形燃料と同じ使い方もできるので、アルストが無い人も、空き缶等で代用できるでしょう。

※アルコール漏れに要注意。

自圧式アルコールストーブ。

アルストはどこでも使用できるメリットがある一方で、火力に乏しいデメリットを抱えています。

それを払拭できる自圧式は、燃焼時の熱によって気化したアルコールをパイプの穴などから噴出させ、火力も確保しています。

こちらも試しに燃焼時間を計測してみたところ、10mlの燃料で9分半の燃焼と燃費が良いとは言えませんでした。

ただし火力は圧倒的で、お湯が沸くまでの時間はかなり短く済みましたから、結果的にはこちらのほうが節約効果があるかもしれません。

versus!

私自身とても気になってしまったので、コーヒー1杯分(150ml)を”沸騰させるまで”の燃料消費量を比較実験!

散々ここまで節約実験した挙句にこの結果では元も子もないのですが、結果は11ml消費の「+カイロ」に対し、たった5mlだった「自圧式」の勝利。

火力というのは、時に低燃費にも貢献することがはっきりと証明された瞬間です。

それなら自圧式を買っておけば良いじゃん!と思うかもしれませんが、「物はシンプルなほど壊れない」ため、メリットばかりではありません。

故障率の低さというメリットは、あくまで一般的なアルストのほうが上です。その頑丈さを維持しながら節約したい場合、きっと今回の実験は役立つことでしょう。

 

 

 

次回更新日:6月5日

 

 

 

【アイビー探偵】   

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