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楠公飯をつくる!

2016年の映画「この世界の片隅に」は、戦時中の日本を描いた作品で、当時の様子を細かく描写しているリアル寄りなアニメ。

主人公のすずさんは、おっとりしたキャラクターでストーリーもまったりと進んでいくので、戦時の話でもあまり重々しくないのが特徴。

前半はクスクスと笑わされる場面ばかりで、後半も暗くなりすぎず、エンディングも明るいので、我が家は大好きな作品の1つ。

完全版「この世界の片隅に」

好評だったことから、上映時にはカットされたシーンをあえて組み込んだ完全版「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」も発売されました。

上映版では不確かだった些細な内容も全て盛り込まれているので、まさにファンには嬉しいDVD。

この劇中には「戦時ならではの食事」がいくつも登場するのですが、個人的には気になるものばかり。

2週間の山ごもりサバイバル教習でも習っていないもの、食べたことないものが盛りだくさん。本当に過酷な環境での食事だから、これは是非知っておきたい!と感じました。

そして、その1つが今回の題材「楠公飯」です。劇中で家族全員が顔を歪めた「まずい飯」とはどんなものか、気になって仕方ない!

楠公飯とは?

南北朝時代(1336〜1392)の武将”楠木正成”[読:クスノキ マサシゲ]が考案したことで知られているもの。

少ない米をかさ増しして満腹感を得ようという調理法で、まずい食事が当たり前の戦中でもこれは特に不評だったそうです。

戦時中の日本でも推奨されていた方法ですから、今後起きるかもしれない戦争や災害では当たり前に口にするようになるかもしれません。

作った経験があれば、いざという時に効率よく調理できるようになっていて、火力燃料など無駄を省けるかもしれない。というのも含め、好奇心から炊いてみました!

玄米1合で挑戦!

飯盒の内蓋はすりきりで2合分、外蓋は3合分なので、外蓋3合を内蓋にこぼさないよう移せば、外蓋には1合が残ります。

ちなみに楠公飯で使うのは精米していない”玄米”なので、現代はあまり家に無いかもしれません。

この玄米を精米することで白米になるものの、栄養価が高いのは実は玄米のほう。白米と違って、炊く前には水に5〜6時間浸しておくのが好ましいので、栄養豊富だけど炊飯が面倒です。

わざわざ皮を剥いて白米にするのはただ単に「味が良く、炊飯の手間を減らすため」でしかありません。白いご飯が贅沢品と言われるわけですね。

玄米を炒る!

通常の炊飯では炒る必要はありません。しかし楠公飯では、ポップコーンのようにパチパチと弾けさせるために火を通します。

殻を破らせて水を吸いやすくするためと思われますが、この時の火力は弱火が良いとわかりました。

また、常にふりふりしながらスプーンなどで混ぜ続けないと、すぐに焦げることも判りました。

火力を間違えるべからず。

最初は弱火と中火の間くらいの火力で炒っていました。上の写真で焦げてしまっている粒があるのは、その時のもの。

気をつけてふりふり混ぜ混ぜしていても、火力を間違えると容赦なく焦げていくので、焦らず弱火でじっくりと!

弾ける玄米。

パチパチと弾けている玄米からは、膨らんだ白いお米が飛び出していました。全部をこのようにするのは多分無理です。

なので10〜15分くらいを目安に火を止めて、次のステップに進みます。その頃にはあちこちに白いお米が飛び出してるのを肉眼でも確認できるでしょう。

たくさん弾けさせたほうが良いのでは?と、ひたすら火を通していても焦げるだけでメリットはありません。

水は通常の3倍!

炊飯時の水の量を通常の3倍入れるのが楠公飯作りの特長の1つ。白米なら炊き上がっても、お湯の中にお粥が沈んでる風景になるほどの水の量。

ちなみに水を吸わせる必要があるため、ここから7〜8時間放置しなければなりません。

よく「楠公飯は朝飯」と記載されていますが、要するに寝る前に仕込んで一晩寝かすのですね。

炊飯は通常通り20分程度。

水が多いためか多少長いかもしれませんが、通常の飯盒炊爨と同じくらいの所要時間。吹きこぼれてから、10分…というより、これの場合”グツグツ音が収まるまで”ですかね。

炊飯器の場合は”お粥”ボタンを押せばOKでしょうか。通常の炊飯ボタンでも水の量が3倍なので、どちらにしても仕上がるとは思います。

出来上がり♪

炊き上がり直後にふたを開けた時に立ち上る香りは、香ばしい玄米茶のような感じに近く、個人的には好印象でした。

お茶は毎日飲むのですが、好きなのが煎茶と玄米茶のため、我が家ではミックスしています。香ばしさに好感を抱いたのは、玄米茶が好きというのも関係あるのかもしれません。

飯粒が潰れたような見た目も、すくってみた時の感触も、まるでお粥そっくり。炒るのと水の量が違うだけで、調理法はほぼ同じなんだから当然か…。

味について。

すずさんの描写でも顔を歪めていたし、歴史書にもまずいと不評だったことが記載されているので覚悟してました。

ところが意外にも美味しい!子ども達も普通にたいらげたし、ちょっとお焦げのあるお粥みたいな印象。

べちょべちょ具合は強いので、食感はお粥よりもジェル感があり流動食の類に近いかもしれません。

お茶漬けの素やお吸い物の素などを振りかけて食べると、普通に美味しい食事。塩をかけるだけでも充分に楽しめました。

調味料なしだと玄米飯をそのまま食べているのと同じような味。元々、ご飯も野菜炒めも何も味付けなしにそのまま食べられる私にとっては、苦痛はゼロ。

調味料なしは嫌だという奥さんは、味付けすれば全然いけると話してました。

デメリットも。

しかし、おかずと一緒に食べると”食感あり”が加わってしまうので、ほぼ食感の無い楠公飯とは相性が悪いことが判りました。

おかずとご飯を口の中で咀嚼するのに慣れている日本的な食べ方には向かず、単品で頂くのが好ましいと思います。

ちなみに”水分ばかりで腹持ち悪いのでは?”とも思いましたが、元々玄米が消化に時間のかかる食べ物なので、意外にも腹持ちは抜群。

満腹感を得るためだけかと思いきや腹持ちも良いとなれば、これが”食料増量の法”と言われるのも納得。

ぎん専務の非常食にはならない。

現代ではペットも一緒に暮らしているという人も多いので、その子専用の非常食も考えておかなければなりません。

普段の乾物フードをたくさん備えておくのも手ですが、予想外に長引いた場合の食事をどうするのか考えておく必要もあります。

当然、楠公飯は穀物類なので猫様の食事にはならず、別でどう確保するのかと悩ましい部分。

 

 

 

次回更新日:4月10日

 

 

 

【アイビー探偵】   

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